ヤングジャンプに「風のJIN」っていうヨットマンガの連載が始まってます。作者は本宮ひろ志。本宮ひろ志らしい、むやみに熱いマンガです。ヨットマンガ、ことディンギーを題材にしたものは非常に少なくて、私はせいぜい克亜樹の「風使いのSAIL」ぐらいしか思いつかない。ヨットを趣味とする者の一人として、こういうマンガが作られるのは嬉しいのですが、ちょっとビミョー。
なんとなく展開が見えてきたんですが、これは多分、「成長したらディンギーに乗ってオリンピックを目指す」話じゃなくて、「成長したらマッチレースを始めてアメリカスカップを目指す」話になるんでしょうね。で、主人公がスキッパーになって、主人公のヨットをメンテしている友達が設計者になるんですよ。
ワザとやってるのかも知れないんだけど、ディンギーレースの描かれ方が現実と大分違うんですよね。
1. 小学生が乗るヨットはオプティミストが主流。マンガの主人公が乗ってルようなタイプは、小学生にはオーバーパワーで、多分乗れない。
2. ディンギーレースは、ワンデザインクラスと言って、同一設計の艇で競うのが普通。違う艇種が混ざって行われるレースもあるにはあるが、独自設計の艇での参加は一般的ではない。ハンディの付けようがないので順位が付けられない。
3. ルール違反のペナルティは、ディンギーのフリートレースでは360°回転より720°回転の方が主流 (のハズ。レースによって違うルールを採用することがあるので)。ただし、マッチレースでは360°の方が一般的。
4. 三角コースの周回順は、風下スタート→上→サイド→下→上→下→風上マークフィニッシュが一般的。風下でフィニッシュするのはあまり一般的ではありません。
こういう細部のツメが甘くて、とても気になるんですよねぇ。
多数の艇で行われるタイプのレースをフリートレース、1対1で行われる、アメリカスカップのようなレースをマッチレースと言います。で、このフリートレースとマッチレース、同じヨットレースでもルールが微妙に違うし、戦略も微妙に違うんです。「風のJIN」での説明はマッチレース用のソレに思えるんで、どうもディンギーを描きながら、ディンギーの取材が足りてないなぁと感じてしまうです。
# もっとも、マンガとして面白くするためにわかっててやってるのかも知れないけど。
# 昔、「ゲームセンターあらし」というマンガがあって、設定がかなりトンデモなかったので、作者のすがやみつるはコンピュータのことを知らないんだろうと思ってた。
# でも、実はすがやさんはPETという当時非常に高価だった、元祖パーソナルコンピュータを持っていた筋金入りのマニア。わかってて描いてたんですね。
【古本】風使いのSAIL/克亜樹