現代医療が「臨床試験」という武器を手に入れることによって、いかに発展してきたかを解説。そして、いわゆる代替医療が臨床試験に耐えられず、効果を立証できないばかりか有害であることを解説した本。読みやすい読み物ではないけれど、面白い。著者のサイモン・シンさんは優れた科学ジャーナリストで、他の著作も良いのだそうなので、ぜひ読みたい。
科学者は、「〜と〜の関係は立証されていない」あるいは「よくわかっていない」という言い方をする。「低線量の放射線と癌との関係はよくわかっていない」とか「超能力が存在するかどうかはよくわかっていない」とかね。でも、そういう分野が研究されていないわけないじゃないですか。それを「わかってないんだから、あるかも知れないじゃないか」と解釈する一般人は間違い
。これは、「厳密に測定できる実験系を作ることが難しい」ために厳密に測定されていないということ。すなわち「厳密に測定しなければわからないほどに相関は小さい」という意味。なので、一般人は、科学者の上のような言葉は、「低線量の放射線と癌との関係はほぼない」「超能力は存在しないか、あっても役に立たないほど小さい」と考えるべきなんだよね。そんな話もこの本を読めばわかる。